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マデイラ島の照葉樹林(世界遺産登録:1999年)

マデイラ島の照葉樹林は、ポルトガル唯一の世界自然遺産で、1999年に登録されました。

マデイラ島があるのは、首都リスボンから1,000kmも離れた大西洋で、マデイラ諸島を構成する4島の一つです。

マデイラ諸島にはこのほかに、ポルト・サント島、デゼルタス島、そしてセルヴァジェンス島がありますが、このうちデゼルタス島とセルヴァジェンス島は無人島で、鳥類の保護区になっています。

マデイラ諸島は、1418年にポルトガル人によって発見され、その翌年にはポルトガル人の入植活動が始まりました。

そして、マデイラ島ではサトウキビ栽培やブドウ栽培が盛んになり、ブドウ栽培からワイン生産も盛んになりました。

マデイラ島には、4000万年前の照葉樹林が現在も残り、その面積は15,000ha、島の1/5の面積を占めています。

4000万年前、実はヨーロッパ全土に照葉樹林がありました。

しかし、ヨーロッパ本土の照葉樹林は気候変動によって消滅し、年間を通じて温暖な気候に恵まれるマデイラ島のものだけが現在にまで残ったのです。

この照葉樹林は世界最大規模を誇り、太古の生態系を知る上で貴重な場所として保護されています。

ポルトガル本土からあまりに離れたところにあるため、観光客がこの素晴らしい世界遺産に気付かないことも多いようですが、島では観光客を受け入れるためにホテルや観光スポットなどが整備されています。