ポルトガルの世界遺産ガイド > アゾレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの中心地区

アゾレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの中心地区(世界遺産登録:1983年)

ポルトガル領アゾレス諸島は、ポルトガル沖から約1,000kmのところにあり、9つの島で形成されています。

これらの島々は1427年にポルトガル人が発見し、無人島であったアゾレス諸島にポルトガル人が次々に入植しました。

やがてその中の3番目に大きな島、テルセイラ島の南西部に位置するアングラ・ド・エロイズモ(以下=アングラ)は交易の地として発展し、その歴史地区や建築群が世界遺産に登録されました。

ポルトガルが本格的にアングラを開拓したのは、大航海時代のことです。

15世紀後半から始まったポルトガルの大航海時代の中で、ポルトガルはアゾレス諸島を発見したことで、そこに交易の中継地点を作ることに成功しました。

商業都市として発展するに当たり、アゾレス諸島は立地条件が大変よかったのです。

特に諸島の中心にあるテルセイラ島は目覚ましく発展していき、アングラを中心に16世紀から18世紀にかけて、美しい宮殿や修道院、教会などが幾つも築かれるようになりました。

アングラでは大航海時代のポルトガル史の1ページをそのまま残したところであり、史跡として後に高く評価されました。

1980年、この地域に大地震が起こり、歴史的建造物群の多くが破壊されてしまいました。

しかし、その後の懸命な復旧作業により、現在までにほぼ全てのものが復元されています。

最近では保養地としても有名なところです。