アルト・ドウロ・ワイン生産地域(世界遺産登録:2000年)
ポルトガル北東部、スペイン国境付近を流れるドウロ川上流には25万haもの広大なワイン生産地域があり、この地域は2000年に世界遺産に認定されています。
アルト・ドウロの地域でのブドウ栽培の歴史は非常に古く、周辺地域では3000年~4000年前のブドウの化石が見つかっています。
3世紀~4世紀の古代ローマ時代には、既にワインの生産が始まっていました。
その後、ドウロ川の地域はスエビ族、西ゴート族、イスラム教徒の支配にあい、その間はワインの生産が中止されていました。
しかし、12世紀に再びキリスト教がこの地を奪還するとワインの生産も再開されました。
今や世界的なワインブランドになった「ポルトワイン」が生産され始めたのは、14世紀頃のことです。
16世紀には、良港のあるポルトから大量のポルトワインが輸出されるようになり、特にイギリスではこのポルトワインが非常に好まれました。
19世紀、ドウロ川のワイン生産地域で害虫フィロキセラによる甚大な被害に遭いました。
しかし20世紀には対策が功を奏し、それ以降現在に至るまで世界最高品質のポルトワインが生産され続けています。
ドウロ川のワイン生産地域は法定区域として定められ、今では国家をあげてその地域の保護に努めています。
ここで生まれた赤ワインは、そのあまりに美しい輝きから「ポルトガルの宝石」と言われ、世界中の人々に愛されています。