バターリャ修道院(世界遺産登録:1983年)
バターリャ修道院は、ポルトガルでは第二の規模を誇る非常に大きな修道院で、リスボンの北110kmにあるバターリャの町にあります。
この修道院は、カスティリャ王国との戦いで勝利したその記念に建てられました。
戦いの始まりは1385年、この地にカスティリャ王国ファン1世が32,000人からなる軍を引き連れて侵攻してきたことです。
ポルトガルの軍にいて当時カスティリャを相手にできたのは、わずか7,000人。
情勢は明らかに不利でした。
そのような状況の中で、国王ジョアン1世は神に戦勝を願うべく祈りを捧げました。
そして実際に、アルジュバロタの戦いで、カスティリャを倒すことができたのです。
バターリャ修道院は、ジョアン1世がこの時に勝てたことに対し、聖母マリアに感謝する意味を込めて築かれました。
着工は1388年のことです。完成までには約150年の歳月を要し、その間に国王は6回代わりました。
1533年に建物が完成したあとも増改築は続けられ、1840年に始まった再修復は20世紀初めまで続きました。
そのお陰もあってか、バターリャ修道院は、今尚建設された当時のきらびやかさを残し、人々を圧倒しています。
建物にはゴシック様式が採用され、そこにマヌエル様式が融合していきました。
バターリャ修道院は国内で最初にステンドグラスを使った修道院で、マヌエル様式の豪華な装飾に花を添えています。